つれづれテレビ

イノセンス 冤罪弁護士 8話 再審という開かずの扉は開くのか?

 

前半の捜査と後半の実験の二部構成になっているこのドラマ。今回は和歌山毒カレー事件辺りなのか、毒物混入事件が元ネタとなっています。それでは、見ていってみましょう。

 

 

イノセンス 冤罪弁護士」概要

日本テレビ系列土曜22時「土曜ドラマ」枠で放映している「イノセンス 冤罪弁護士」。

冤罪事件を主に扱う弁護士が、大掛かりな実証実験をすることで無実を証明し、99.9%の壁に立ち向かっていくストーリーとなっています。登場人物の苗字がみんな温泉な共通点があります。

主なキャスト

 

第8話ゲスト

片岡鶴太郎星野真里酒井美紀

 

あらすじ

 

黒川と和倉の元に有馬が来て24年前に起きた事件で死刑判決を受けた、式根の冤罪を晴らして欲しいと依頼される。有馬と式根は手紙のやりとりを続けている間に、式根が癌に侵されていることが分かる。その事件は直接的な証拠はなかったが、自供と状況証拠で有罪判決を受けていたのだった。更に再審を過去に4度申請したが全て棄却されていた。次の再審請求が最後のチャンスになるので、慎重に過去の事件を振り返っていくと分かる新たな事実。引き当たり捜査の写真に違和感を覚えて秋保に調査を願うと、撮影された写真は捏造されたものであることが分かった。しかし、これだけでは勝訴を勝ち取ることは難しいし、事件を蒸し返して喜ぶ人間ばかりじゃないと秋保に釘を刺される。


再審に向けて有馬は大々的に報道をするが、式根の娘である玲子は再びマスコミに追い回されてしまう。死刑囚の娘として過ごしていた玲子は、蒸し返されたことで職場や近所の人からもまた好奇の目に晒される。それに怒りを覚えた玲子は弁護士事務所に来るなり、そこに居合わせていた有馬の頬を張る。中途半端な正義感で人の人生を振り回すなと怒りを露わにして出て行く。その言葉にかつて秋保の妹の事件の時にも言われたことを思い出し、秋保を呼び出して二人で居酒屋で飲む。真実・報道・正義・被害者遺族、その間に挟まれることに葛藤する有馬。秋保はそんな有馬へ向かって秋保なりの慰めの言葉をかける。


一方、獄中の式根が倒れて医療刑務所へと緊急搬送される。そこへ駆けつけた黒川と和倉は、式根が「拘禁反応」により記憶が混濁していることを知る。長年拘禁されていたことで、精神的に疲弊してしまったことが原因だった。そのことに激しく憤る黒川、かつて自分の幼馴染を救えなかった時と重ねる。

 

 

見どころと感想

 

 今回の話は非常に考えさせられる内容でした。冤罪が起きる原因は検察や警察だけでなく、平穏な日々を取り戻したいがための個人の無責任さや、根拠のない憶測だけの報道など、そういった全てが合わさって生まれるという内容でした。

よく黒川は質問に対し「わかりません」と答えます。わからないものはわからないと、ハッキリと告げるシーンが過去回でもあります。知ったようなフリをしたり、事実とは違う話を混ぜたり、面倒だから適当な話をするのは、日常の会話ならともかく、人一人の人生が左右される可能性がある事件の証言などでは、すべきではないと身が引き締まる思いの話でした。

見どころはやはりラストシーンだと思います。父親と娘が長い時を経て面会をするシーンは、和倉も思わず涙ぐんでいました。失われた時間を取り戻すことはできないといってしまえばそれまでですが、最終弁論的な部分で黒川も言いますが、未来まで奪うことは許されてはなりません。

今回は人によっては後味の悪い回だと思います。実行犯が既に死んでいて捕まえることが出来ないというのが、なんとも言えない気分にさせます。

 

 

展開予想

予告を見る限り、秋保の妹の事件と同じ状況の事件が起きるようです。そして和倉が刺されてしまうようです。秋保の妹の事件は仮に真犯人が捕まったとしても、冤罪であった黒川の幼馴染は自殺していますし、秋保の妹も亡くなっているので、やっぱりなんとも言えない気分になるような予感はします。
 
今回のいいセリフ

甘えるな、感情と理屈は別だ。