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後妻業 最終回 小夜子は女ねずみ小僧?

今回で最終回となる「後妻業」です。朋美は遺産を奪い返すことはできるのか?小夜子たちの運命はどうなってしまうのか?見ていってみましょう。

 

「後妻業」概要

フジテレビ系列火曜21時に放映している「後妻業」。

年老いた独身男性と結婚して、その遺産を貰うことを生業としている小夜子と一緒に組む結婚相談所の柏木。小夜子の結婚相手の娘である朋美は探偵の本多と組んで、遺産を守るべく二人と戦うストーリー。

主なキャスト

原作:「後妻業」黒川博行(文春文庫刊) 

主題歌:「冬の花宮本浩次

第9話ゲスト

松尾諭

 

あらすじ

 舟山の息子(松尾諭)に脅された柏木(高橋克典)は金を用意するから少し待って欲しいといって要求を受け入れる。数日後、本多(伊原剛志)は朋美(木村多江)にあの晩、ホテルに行ったら柏木と一緒に部屋へ向かう姿を見たと言われる。朋美は運んで貰っただけで、何もなかったと話し、本多もそれを信じた。
一方、柏木は博司(葉山奨之)に新たな仕事を依頼していた。それは、覚せい剤の売買をしているシーンを盗撮することだった。なんと盗撮をした相手は、舟山の息子の組だった。

 

本多は柏木のところへ行き、練炭や注射器を購入したレシートを見せる。そして、手帳と一緒に買い取って欲しいと言う。柏木はそんなもの状況証拠だと突っぱねるが、本多はマスコミには状況証拠だけで十分だといい、柏木も小夜子(木村佳乃)も追いかけ回されるぞと言い返す。仕方なく買い取ることにした柏木に、三千万払えと本多は言う。了解した柏木は金が用意できたら連絡すると告げた。

その頃、小夜子は朋美に電話をかけ、「今度こそ本当のことを話す」と言い、直接会って話したいと願う。

そして、柏木が舟山の息子に電話をかけ、博司に撮らせた写真をネタに、逆に一億円を払えと脅すのだった。
その後、柏木は本多に電話をかけ、一週間後に大阪の倉庫に来いと連絡を入れる。

舟山の息子と本多と柏木の取引の行方はどうなるのか?

 

 

見どころと感想

視聴者の人が後から分かることが多いように、実際に画面で進んでいる話以外にも、「実はあの後こうだった」というシーンが、後から後から差し込まれていく編集となっています。


結論から言うと、舟山の息子が持って来た一億円を、柏木、小夜子、朋美、本多、本多の元同僚の刑事と五人で山分けするというオチになります。
そこに持っていくまで、柏木と小夜子が知恵を働かせて、本多と朋美を共犯に引きずり込むといった展開です。
詐欺師もののドラマとかでは、よくある手法ではありますが、殺人が絡むこのドラマでこのやり方をされるとは思ってみなかったです。

朋美を引き入れるため、小夜子が持ち出すやりかたはこうです。
年寄りから奪った金は全て養護施設などに寄付をしていた。通帳や領収書を見せて説得します。そして、朋美の父親は自ら注射を打って死んだ、といいます。
それに納得をしたのか、朋美は持ちかけられた話に乗ります。

 

そして最後の頃、小夜子は本当に寄付をしていたのか?殺人は犯してないのか?という疑念を晴らすように、ゴミ箱に通帳と領収書と、注射器が捨てられていました。
よって、小夜子は殺人犯ですし、寄付などしていません。

 

悪人が罰せられることがない、という終わり方を受け入れられるかどうかが、この物語が好きか嫌いかの分かれ目だと思います。
大体こういった話は、悪人が最後に死んで終わりになる話が多いです。
たとえば、息子の博司に首を絞められるシーンで、本当に小夜子は死に、柏木もまた恨まれている女性に殺されて死ぬ。といった終わり方です。
それはそれで、いいかもしれませんが、「後妻業」はなぜ生まれたのか?という本質を問うには、その終わり方だと普通の物語になってしまいます。

後妻業が生まれた理由の一つとして、序盤で描かれていたように、被害者家族が疎遠であるということです。
兄弟の誰も面倒をみず、むしろ疎まれているような状態の老人。そこへ小夜子がやってきて、本来なら家族から貰えるはずの愛情を与えます。
親が死んでから、遺産を巡って争う家族。それまで理由をつけて面倒をみることを放棄していたのに、小夜子に金が取られるとなると騒ぎ出します。

小夜子のやっていることは、当然許されることではありません。しかし、自分達に一切の責任がないのか?それを深く問いかけてくる作品でした。
ですので、罪人が野放しな終わり方にすることで、いつでも自分の身に降りかかる可能性を残したのだと思います。
本当に身が引き締まる良い作品でした。

 
見どころとしては、クルーザー船の中での、久し振りに見れた小夜子と朋美のケンカです。やっぱり木村多江さんが愛らしいなぁ、としみじみ思って見ました。

最近、ファミリーマートファミチキのCMにも出演されていますが、セクシーからのコミカルな感じがいいです。

 

まとめ

始まった当初はどうなることかと、あまり期待もせずに視聴していました。しかし、見ていくうちに、関西弁のおかしさもコントのように入るケンカも、気にならなくなりました。終わるころには、普通に面白かったです。テレビという短い時間で、展開の山場を作らないといけない状態で、うまく引きを入れて盛り上げていたと思います。
このドラマの主題歌である「冬の花」の入り方が大好きでした。

 

今回のいいセリフ

何ちゅうてもお前と俺は最強の…。バディーや。